竹内鍼灸治療院

世田谷・用賀駅徒歩4分 女性鍼灸師の脈診経絡治療

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竹内鍼灸治療院は日本の古典臨床鍼灸に基づいた治療を行うはり灸専門院です

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2024.04.01

4月のお知らせ(診療再開)

【受付時間】

• 10時~17時
• 予約制です。当日のご予約も承ります。

 

【休診日】

日曜、祝日はお休みです

ゴールデンウイークはカレンダー通りのお休み

記載以外に休診となる場合があります。電話予約の際にご確認ください。

 

【診療再開のお知らせ】

家族の入院に伴い、臨時のお休みをいただいておりましたが、4月より再開いたします。

休業期間中は大変ご不便をおかけいたしました事お詫び申し上げます。

 

ただ、まだ先のことがわからない状況となっておりますゆえ

急を要する場合がございますこと、ご容赦いただけますと幸いです。

 

 

《フェニックスG》

我が家では、父のことをフェニックスG(じーさん)と呼んでいます。

 

人の生死に関わることなので、慎重に話さないといけないとは思いますが

危篤から蘇った父本人ですら面白がっているので、まぁいいでしょう。

 

血中酸素飽和度(SpO2)とは血液中の酸素量のことですが、基準値は96%以上とされています。

値が75でチアノーゼが出現し始め、50以下で臓器への酸素供給不足が起こり、組織障害が出現。

35以下ではほとんどが死に至るということです。

  

先月救急搬送された父は、呼吸不全となり人工呼吸器が必要となりました。

父は血中酸素濃度が40%まで低下。

 

二酸化炭素も体にたまってしまい、お医者さんからは「5分後、10分後に亡くなる可能性もあります」とまで宣告されました。

 

私も覚悟の上でしたので、苦しむ父の姿をみて「もう十分」と、見送りの準備はできていました。

 

父は延命処置を望まなかったので気管切開はしていません。とはいえ、かなり苦しそうな表情。

鎮静剤が検討されましたが、その場合、意識レベルはさらに低下。

父のバイタルではそのまま…ということも考えられます。

 

ところが、父は時折目を覚ますと顔を覆うマスクを外して、何かを話そうとするのです。

 

『父の訴えを聞かなければ』

という思いもあり鎮静剤は見送りました。

 

明け方、なんと父の酸素飽和度は劇的に回復し、二酸化炭素も体外に排出され始めました。

 

命の危機を脱した二日後には口からの食事も再開、退院に向けてのリハビリにまで至ったのです。

 

 

衰弱しきった体のどこにこれほどまでの生命力が残っていたのでしょう。

 

生死をさまよった翌日、父が夢の話を教えてくれました。

 

とにかくたくさんの人が周りを歩いている。昔の知り合いや親せき、亡くなった人、知らない人も。

 

それから行きたいと思う場所を思い浮かべると、体が浮いて、壁や天井、ガラスを通り抜けてどこへでも行けるのだと。

 

父よ。それは臨死体験…

 

父があまりに楽しそうに話すので、思わず私は

「面白がってやり過ぎると自分の体に戻れなくなるからやめなさい」と忠告しました。

  

また、救急車で運ばれてきたことは一切記憶がなく、息苦しさも全く覚えていないとのことでした。

 

死にそうだった自分の様子も、他人事のように笑いながら聞いていました。

認知症状はなく、とりあえず周囲もほっとしました。

 

ただ、いかに不死身の父といえども体の状態からいうと、余命は長くないと思われます。

 

寂しくはありますが、父を見ていると

肉体の死と魂の旅立ちは別のものではないか…

 

と、不思議な気持ちを抱くのです。

 

私は父に尋ねてみたのですが、容体が最も危険な状態だった時、まったく生に執着はなかったそうです。

 

「死にたくない」

などと考えることもなく、ありのままを感じていたと言うのです。

 

普段の父はというと、真逆もいいところ。

何かというと感情が先に立ち、思い込みだけで具合が悪くなるような人なのに。

 

特に宗教観はなく、精神世界にも全く関心のない人で、さらに言えば偏屈で身勝手で。

 

あれほど言っても煙草を止めず、肺気腫を患い体が不自由になってしまった。

 

さんざん家族は振り回されてきたけれど、なぜか憎めず、みんなにも慕われていた父。

 

 

良くも悪くも、ただ正直で素直な人なのでしょう。

 

だから

もう一度、還ってきたのだと思います。

 

私は、まだ父から学ぶことがあるのです。

 

 

ちなみに父は若い頃にバイク事故で気を失い、その時はえも言われぬ気持ちよさでトンネルの向こうから手招きをする人たちを見たそうです。

 

実はかくいう私も、車の事故に遭ったときは周囲がスローモーションに変わり、それと同時に過去の場面が走馬灯のように見えたのを覚えています~

  

一回目の三途の川を渡りかけた頃の父


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