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《なすがままに》

父との『最期のお別れ』のあの場面を、もう何回くり返したのだろう。

この状況を、担当の先生に医学的にみてどうなのかと尋ねてみたところ

ないことはないが、頻繁にあることでもない。
ただ、この状態からの回復は奇跡的です。とのこと

ですよね。

しかも複数回、なおかつこの年齢で。

母の臨終で見た死の間際の兆候。

そのほとんどが表れ、紛れもなく旅立ちのときを迎えていた父。

まさかのモルヒネも外れて、

目を開き、自分の名前と生年月日をはっきりと告げる父。

年齢に至っては「ななじゅう」といいかけて、慌てて訂正する図々しさ。

いまわの際から、何度復活するのか。

しかも、
その都度、顔の肌つやが増して若くなっているような気が。

父は面会のたびに、さまざまな不思議を語りました。

「天と地をひっくり返したようなところにいるんだ、俺」

「15分か30分くらいしたら、どこ行くのかなあと思って。

（戻ったら）生きていけるのか、死んでしまうのかと思って」

そこで私が、

「こっちに戻ればみんなが待ってるし、

天に行くならご先祖様が迎えに来てくれるから、どちらも心配ないよ」

というと

深くうなずき、安心したようでした。

しかし、こちらも

み、身動き取れん…