布袋さん、よかった
10月下旬、東京ドームで行われたライブに行ってきました。
出演は福山雅治、布袋寅泰、コブクロなどなど、豪華アーティストによる演奏が5時間にわたり繰り広げられました。
実はこのライブ、アサヒのスーパードライに張り付いていた応募シールをチマチマと集めて送ったところ、ペアチケットが当たったのです。
思えば私のコンサート初体験は、小学生のころ地元の旭川市民文化会館で観たピンクレディー。それから中学時代、友人の付き合いで行った近藤マッチ。そして笑点の公開録画(コンサートじゃないし)。
そのすべてが旭川市民文化会館という地味さ加減に笑えます。
ドームコンサートなんて初めてで、完全なお上りさん状態だったのですが……
結論から言うと、良かった! 非常に良かったんですよ!!
特に布袋さんのライブ!『歌う、魅せる、弾く、語る!』パフォーマンスのすべてがエンターテイナーの見本のような方でした。
私もBOØWYにちょっと触れた世代ですが、上記の通りノーマルな田舎の少女だったので熱狂的なファンではありません。
それでも氷室京介、布袋寅泰の人気っぷりは当時相当なものでした。
面白いのは、前述したようにビールの応募券で集まった観客なので、コアなファン(格好でわかる)もいれば、
ご年配のご夫婦、私のように「初めて来ちゃったよ」みたいな初心者など、とっても会場はカオスな雰囲気。
そのほとんどが布袋さんの演奏が始まると、彼のパフォーマンスに引き込まれていったのです。
前の席のおじいさんは、これまでのんびりビールやおつまみで時間を過ごしていたのに、布袋さんの時は、ももの上に置いた両手でずっとリズムをとっていました。
トークも誰もが楽しめる内容で、あっという間に観衆をまとめて上げていました。
長い間第一線で活動を続けている大御所はさすがです。このときばかりは、「今度はお金を払ってでもまた布袋さんを聴きたい!」と心底思いました。
といいつつ、日常に戻るとだんだんと私の布袋さん熱は冷めていったのですが、
そんな話を当院の患者さんたちとしていたところ、案外、皆さんいろいろなコンサートやライブに足を運ばれているのですね。
しかも東京だけではなく、好きなアーティストは遠方の会場まで行かれている方も多かった。
いやあ、まだまだ私には知らない世界がたくさんありました。
で、皆さんと共有できたのは「やっぱり生はいい!ライブはいいよね!」
奏者と観客がその瞬間を共にし、同じ空間で音響の波に身をゆだねる。
そして思いもかけない感動を覚え、余韻をのこしながら日常に戻っていく。まさに一期一会です。
そんなことを考えながら、ふと思いました。
コンサート会場ほどではないにしても、私も日々の治療は患者さんとの一期一会なんだなぁと。
私の鍼灸治療は脈診流といって、脈の状態をよく観察しながら治療方針を定めます。
現代医学でいう脈の概念とは違い、私たちの診方は脈状を生命エネルギーの虚実としてとらえます。
患者さんの症状、その日のコンディション、脈の状態、体温は常に流動してます。
その瞬間を術者である私がどのようにとらえ、誠意を尽くして治療に臨むか。まさに同じ鍼というのはないのです。
私にとって、とても印象深い言葉を紹介します。
アメリカの歌手シンディローパーが、東日本大震災のすぐあとに来日して語った言葉です。(2011年、朝日新聞に掲載された記事より)
「音楽は、この世で最も力強い伝達手段の一つ。人間は脈や鼓動のあるリズムの生き物で、リズムに身を置くとき、私たちはものすごく自由になる。音楽を必要とする人々がいる限り、私は歌い続ける」
うん。音楽っていいですね。
実家の布袋さま