年頭所感2021
息子がキャンプ道具を揃えたいというので年末に物置を整理しました。
私も20~30代の頃はよくキャンプに出掛けていましたが、ずいぶん前にほとんどの道具を人に譲ってしまいました。
わずかに災害用として手元に残してあったものを探していると、コールマンのランタンが出てきました。
部品を包んでいた新聞紙は2003年。実に18年ぶりの点灯です。
2019年末-2020年、オーストラリアやカリフォルニア州では大規模な森林火災や山火事で甚大な被害が発生しました。
同じ“火”ではあるけれども、地球や生物にとってはとてつもないエネルギーとなり創造と破壊を生み出す原動力となります。
経絡治療においては陰陽五行説が要です。
どのような病証であってもこの東洋哲学の思想を外れることはありません。
五行とは宇宙と大自然を構成する5つの基本物質をいい、その特性は『木・火・土・金・水』に分類されます。
これらは互いに連携しながら自然界の生態を維持しています。
五行説とは、五行と人間の体に備わる五臓『肝・心・脾・肺・腎』の働きが一致しているという考えです。
すなわち私たち人間は、宇宙や自然の一部であり、すべての生命体とともにあるのです。
これを具体的に言葉で解明するのはとても難しい。
というより理論的に説明することはできないのではないでしょうか。
治療後の皆さんがよく口にする言葉があります。
「なんだかわからないけれども、手足が温かくなって筋肉の凝りがほぐれた」
「不思議と体が軽くなり呼吸が楽になっている」
先ほど、経絡治療は東洋思想の考えの上に成り立っていると説明しましたが、その治療原則に従い鍼をすると患者さん自身の治癒力が引き出されてよい変化が生まれます。
私たちは、この効果の理由を気(エネルギー)を動かして生命力を高めているからと説明します。
もちろん科学的な根拠はありません。
でも「証明できないもの」と「存在しないもの」は同じではありません。
いまはまだ説明できない経絡治療の効果も、いつか解明されるかもしれませんね。
本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。