経絡治療に思うこと2(催眠療法編)
ということで前回の続き。
鍼の治療中はスヤスヤとおやすみになる患者さんが多くいらっしゃいます。私も鍼の勉強会等で模擬患者になると、本来であれば受け手としての役割を果たさねばならないのですが気が緩むとついウトウト…
模擬患者の時ですらこんな調子なので私が本気の患者として横になると、あっという間に眠りへと突入です。一般的な鍼治療のイメージからすると、鍼の痛さに耐えながら眠くなるなんて!と思われがちですが経絡治療の鍼は全く痛くありません。そして自己治癒力を高めて病苦を取り除くのが目的ですから、自律神経系の副交感神経が優位になるので眠くなるのです。副交感神経が高まると心身ともにリラックスして免疫力も向上します。このような状態の中でしっかり鍼をするのです。
そして、このときの眠りには特徴があります。寝息をたてている方でも、たとえば姿勢を変えてもらうために「横を向いてください」と声をかけると、みなさんすぐに反応されます。しかも寝ていたことにご本人が気が付かないときもあります。そう、寝ているのか起きているのかわからない状態なのです。逆にほんの短い間のおやすみでも「眠っていたけれど時間の感覚が全くわからない。熟睡してしまった」とおっしゃる方もいます。そして目覚めはすっきりと覚醒して、治療後は体が軽やかになる方が大半です。もちろん、主訴の消失や症状が和らいでいることも実感されます。たとえ治療直後にあまり変わりがなくても、翌日には変化を感じる方も多くいらっしゃいます。
治療中にいったい何が起きているのでしょう。経絡治療は気の調整を行うことで自己治癒力を引き出すのですが、私はこれが変性意識状態で起こっているのではと考えています。いわゆる催眠状態です。脳波はα波という非常にリラックスしたときの波形を表します。
話は少し逸れるのですが、昨年、私は翻訳家の山川亜希子氏の講話を聞く機会がありました。山川さんはアメリカの精神科医、ブライアン・L・ワイス氏の「前世療法」を翻訳した方です。実は私がこの本を手に取ったのは今から十数年も前のこと。それが偶然にも昨年の11月に友人から山川さん講話の誘いを受けたのです。本を読んだ頃を懐かしく思い出しました。当時の私はいわゆる精神世界について漠然と憧れをもってはいたけれど、結局はよく理解できませんでした。
今回は山川さんの現在の取り組みのお話が主でしたが、ふと前世療法を含む催眠療法(ヒプノセラピー)のことが気になり、調べてみることにしたのです。それから間もなくして、私は統合医療として催眠療法を実践しているイーハトーヴクリニック医師の萩原優(はぎわらまさる)院長による催眠療法セミナーを受講することになるのですが…
つづく。
東京世田谷区用賀/東急田園都市線 用賀駅徒歩4分