小児はりって?
小児はりと聞いて『こどもが鍼に来るの?』と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。
実は案外たくさん来るのですよ。
しかも一度治療を受けると”鍼が大好き”になるお子さんがほとんど。
はじめはコワゴワで緊張している子どもたちですが、終わるころには「痛くない!気持ちがいい!お灸もあったかい!」
「眠りそうになった!」と喜んでくれます。
では、どんな症状の子たちが来るのかというと、
・頭が痛い、お腹の不調
・肩、首、背中の張り
・ケガ、骨折、捻挫を早く治したい(病院の治療と並行して)
・低体温や冷え症
・寝つきが悪い、朝起きられない
・目覚ましでは起きない、起こすとものすごく不機嫌
・学校になじめなくて休みがち、学校に行けない、友人関係の悩み
・疲れやすく体力がない
・周りを気にしやすい
・ずっとゲームをしている
・勉強がきらい
・情緒不安定、イライラ、落ち込み、やる気が起きない
・思春期のさまざまな悩み
などなど。
え、こんなことまで鍼で治るの? と驚かれるのではないでしょうか。
「鍼で治る」というのは正しくありません。
「鍼が治るお手伝いをする」というのが正解です。
これは小児に限らずどんな年代の患者さんでもそうですが、本来からだは自分で病を回復する力が備わっています。そのサポートをするのが鍼灸治療の目的です。
こころの在りようが起因する症状は特にそうですが、身体に現れる不調は多くが本人や周りの人に気が付いてほしいというサインなのです。
私はお子さんが治療に来ると、付添いのお母さんからお話を聞いたあと、必ず本人のお話もじっくり聞きます。
はじめは話したがらなかったり言葉で伝えるのが難しかったりということもあります。そういうときは無理に聞かずに治療に入ります。
そして小さなお子さんにも治療器具を見せてどんなことをするのか説明をします。
からだと気持ちがほぐれてくると、自然とお話をしてくれる子たちがほどんどです。中には、お母さんもびっくりするような心の内を話してくれるときもあります。
私は聴くだけです。私に質問をする子たちもたくさんいます。
「どうして鍼は効くの?」「鍼をするとからだの中はどうなるの?」
私は全力で答えます。そしてみんな興味津々でとても面白がってくれます。
そんなさりげない寄り添いが小児はりなのです。
鍼が気持ちよいと感じてくれる子どもたちは、感受性が高く、周囲の理不尽さに疑問を感じ、芯の強さを持った子どもが多いように思います。
体に現れている症状をいいとか悪いとか判断するのではなく、理由をつけて答えを出すのではなく「そうかそうか、つらかったねぇ」と滞ってしまった気を流してあげることが一番の目的。
保護者の方々にとって、お子さんがつらそうにしている姿を見るのはどんなに心配なことかよくわかります。何かご不安なことがありましたら、ぜひ当院にご相談ください。