逆子と安産ケア
逆子で鍼灸治療を試してみようという方は、主に妊娠30週を過ぎた方が多数。これまでは逆子になっても自然に戻っていたけれど、今後はお腹も大きくなってきて動く隙間が狭くなるのではと心配されるようです。
逆子ではなくても、妊娠中のお悩みで多いのは、腰痛やむくみ、鼡径部の違和感などが挙げられます。また妊娠初期は、つわり、冷え、精神不安など個人差はありますが、何かしらのお悩みを抱えている方が多くいらっしゃいます。
妊娠期間中のサポートに鍼灸を活用いただくと、身体を整えながら逆子のケアにも対応できるのでぜひおすすめです。
当院でこれまで逆子治療を受けられた方たちをみると、週に2回程度の来院で6~8回目の治療後に直るケースが多いように思います。ただし、妊娠週数や子宮の環境、胎盤や骨盤の位置、その他の要因で戻りにくい場合がありますので、はっきりと何回で直るとは言い切れません。残念ながら頭位にならないこともあります。
鍼灸で逆子治療というと何か有名なツボでもあってそこを刺激するとグルグル~っと。なんてことはありません。もちろん、「逆子の灸」「安産灸」などと呼ばれるツボもあり、必要に応じて治療穴(ちりょうけつ)として使用しますが、大事なことは、まずお母さんの心身の健康状態を安定させることです。その結果、赤ちゃんも居心地のよい場所に移動して生まれる準備を整えてくれます。
逆子・および妊娠中の鍼灸治療で中心となるのは次のとおりです。
- 最も大切なことである、ホルモンと自律神経のバランスを整える
- 冷えや腰痛、肩こりなど不快な症状を改善する
- 経絡の循環をよくして体内の隅々に気血を行き渡らせる
- 下腹部の緊張をとる
- 何よりリラックス
- 体の状態に合わせた逆子治療、妊娠中に効果があるツボへの施術
初診時にお話を聞くと「○週までに直らないと帝王切開」「次回の検診に間に合わないと入院の予約を入れないといけない」と、お話しされる方がほとんどです。
そのお気持ちはとてもよくわかります。初産、経産婦の方に限らず、できればリスクの少ないお産を希望されるのは当然だと思います。でも、心配で行き詰ってしまったらこんな風に考えてみてはいかがでしょう。
お産は誰の都合でもなく、赤ちゃんのタイミングで始まるのです。生まれた後だって親の思い通りになんていきません。別人格の命がお腹の中で育まれているのです。お母さんや周りの私たちができることは、いま赤ちゃんがいる母体の環境を整え、産まれ出る世界であたたかく見守っていくことなのではないでしょうか。
妊婦さんの鍼灸治療はおひとりお一人で異なり、この場でケースごとの治療法は省きますが、お困りのことがありましたらぜひ当院にてご相談ください。
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